*未来へ笑顔をつなぐ為に今私達のできること*
2005年、私はマレーシアのボルネオ島にホームステイに行きました。野生のオラうータンの生息する地域で収入は主にパームヤシというヤシの木を育てて木から採れる油を売って生活しています。コンビニもアスファルトの道も信号も看板も無い。日本では当たり前のものが何もない。お風呂はドラム缶に雨水を溜めて桶ですくって水を浴びます。電気は自家発電(発電するのは大変)なので暗くなったら寝て、朝日と共に起きる生活。そんなある日、ステイ先の少女が私にこう言いました。
「1度でいいから日本へ行ってみたいわ!!」「私の家は貧しくて、私の生きている間にその夢は叶わないの。でもね、あなた達がこうしてここへ来てくれることが私の宝物なの。本当にありがとう。」と満面の笑顔で話してくれた。少女を前に涙が止まらなかった。どんなに小さな事にも感謝し、「ありがとう」の気持ちを忘れないこの村の人達。私は日本という恵まれた国に居ながらも、不平不満を言い何でもあって当たり前の生き方をしていた。そんな自分がとてもちっぽけで恥ずかしかった。彼女に感謝している。それから私は、「私に何ができるだろう?」と考えるようになりました。そうだ、私は絵を描く事ができる。そして決めました!絵を描き続けることを。絵を通して彼女の笑顔を広げよう。それが唯一私に出来る事だから。
ボルネオ島は3カ国にまたがり、北東部はマレーシアのサバ州、サラワク州、ブルネイ、南側はインドネシア(東カリマンタン州・西カリマンタン州・南カリマンタン州・中央カリマンタン州)に分かれる。赤道直下にあり、面積は約74万平方キロメートル(日本の2倍)で、世界で3番目に大きな島(1番目はグリーンランド、2番目はニューギニア島)。
熱帯雨林気候で、平均気温は年間通じて2530度。年間降水量は3000~4000mmといわれる。熱帯雨林は生物の生産性が高く多種多様な動植物が生息し、生物多様性の最も豊かなエリアと言われる。ボルネオオランウータン、テングザルなどボルネオ固有種も多い。しかし、木材伐採、その後のアブラヤシプランテーションへの転換などで、熱帯雨林はどんどん減少し、生物多様性も失われつつある。
ボルネオ島は、現在も自然が豊かだと思われていますが、実は森林(そのほとんどが熱帯雨林)が伐採され、そこに住む野生動物が絶滅の危機に追い詰められています。 パーム油は、現在世界で一番使われている植物油です。ボルネオでは、世界的なパーム油の需要の拡大により、原料となるアブラヤシのプランテーションが急激に広がっています。
その開発により、住む森を奪われた動物たちが絶滅の危機に瀕しています。オランウータンに至っては、過去100年間で個体数が90%も減ったと言われています。
また、大量に散布する農薬により、人間や動物のみならず、ボルネオの大地や海が汚染されていくことも懸念されています。急激に広がっているアブラヤシのプランテーションですが、では、生産を止めればいいじゃないかという訳にはいきません。私たち日本人は年間1人あたり約4kgのパーム油を消費しています。パーム油なくして、私達の生活はもはや成り立ちません。
私たちの豊かで便利な生活は、ボルネオ島の熱帯雨林を壊し、ボルネオゾウやオランウータンの住処を奪いながら成り立っていると言ってもいいかもしれません。オランウータンがいなくなったということは、住処や食べ物がなくなってしまったということ。その住処や食べ物はもちろん昆虫や動物も同じように必要としていたもの。それがなくなるということはそこに生きていたものは生きていられなくなります。何かが絶滅すると、今まで保っていたバランスが崩れてしまいます。
私たち人間は地球上の動物、植物と深く関わりながら存在していますから、日々崩れていくバランスは、いつか私たちの生活に影響が出てきます。ボルネオ島のコトを多くの人に知ってもらい、一緒に考えてもらえたら幸いです。遠くの島で起こっている出来事は、私たちに関係のないことではないのです。
何故オラウータンを守らなければならないのか?
オランウータンは地球上で唯一最大の木上性類人猿。
ボルネオとスマトラの熱帯雨林の広い範囲に棲息しています。オランウータンたちは大変多くの種類の果実や葉を必要とします。しかも、人の手が入らない森が必要なのです。オランウータンの生存数は熱帯雨林の生態系の健全度を表すバロメーターです。現地語で「森の人」とも言われているように熱帯雨林に欠かす事のできない動物です。
特に、彼らは植物の種子を蒔く役割を持つ、まさに“森を作る人々”であり、森林を維持・発展させるために欠かせないからです。オランウータンが元気に棲息できることは、熱帯雨林も健全に繁茂していることを意味しています。他を害さないオランウータンの住みかを奪った私達人間。今後美しい地球を守る為にも、こうした現状を知った心豊かな人たちから力を合わせて地球や動植物達に恩返しをしていくことが必要なのではないでしょうか?
未来へ笑顔がつながりますように。心を込めて・・・RIE
*2014年 9年の時を経てボルネオ島へ‼*
『世界中に笑顔を広げるアーティスト RIE』の原点への旅.。.:*☆サラヤ株式会社様の『ボルネオ調査隊』の皆さまに同行さ